店頭で並んでいるキレイな果物。
なぜキレイなのか?
それは虫やカビが発生しないように農薬や防カビ剤が使われているからです。
露地ものや無農薬栽培や自然栽培の果物の皮に黒い斑点があるのを見たことがありませんか?
それは植物がカビと戦い抜いた証拠。
その抗カビ物質がサルベストロールなのです。
つまり農薬などによって虫やカビ菌が寄りつかない環境によって育てられた野菜や果物にはサルベストロールはごくわずかしか含まれません。
無農薬自然栽培が当たり前だった頃とは農作物に含まれるサルベストロールの量は桁違い。
果物や野菜を食べても人体に効果を発揮するほどの量は摂取できていません。
食べることによって健康を保てていた時代から、日本においては今や二人に一人が癌になると言われています。
それは日本人の食、農作物が大きく変わったことも影響していると言っても過言ではないでしょう。
今日はサルベストロールについて解説したいと思います。
サルベストロールとは
植物がカビ菌などの病原体の攻撃から身を守るために作り出す「ファイトアレキシン」という物質の一種。
人体に取り込まれても無害。
CYP1B1(シップワンビーワン)酵素によって代謝活性化された場合にのみ、抗がん効果が発揮されます。
CYP1B1酵素とは
シトクロムP450酵素ファミリーのメンバー。
癌細胞内に存在し、正常細胞には存在しません。
しかも乳癌、肺癌、大腸癌、食道癌、皮膚癌、リンパ腫、脳腫瘍、精巣癌など発生する組織の異なる広範なヒトの癌に高頻度に出現することが明らかにされています。
癌の種類を問わないわけです。
それだけではありません。
大腸腺腫や肺腺腫、子宮頚部上皮内腫瘍、前立腺上皮内腫瘍といった前癌病変でもCYP1B1の発現が確認されています。
最近の話題ですが、2019年5月に開催さえた国際オーソモレキュラー医学会において、癌幹細胞にもCYP1B1が存在することが発表されました。
つまり癌細胞にしか存在しない癌特有の酵素とも言えます。
なぜ癌に効果を発揮するのか?
このCYP1B1はサルベストロールの基質を活性化します。
癌細胞にサルベストロールが取り込まれると酵素反応が起き、細胞制御メカニズムを回復させる代謝物が生成されます。
その代謝物が癌細胞の有糸分裂複製を調節し、腫瘍増殖を制御、癌細胞のアポトーシス(プログラム細胞死)を引き起こすメカニズムが発生します。
つまりサルベストロールはCYP1B1との化学反応によって、正常細胞を害することなく、癌細胞のアポトーシスを引き起こすメカニズムを有するわけです。
アポトーシスとは異常細胞を自ら破壊する、ホメオスタシスにおける自然制御メカニズムの一つです。
CYP1B1とサルベストロールの反応は自然生存メカニズムであり、数千年にわたって動物やヒトの体内で構築されてきました。
ところが現代の食事ではサルベストロールが欠乏しているため、このメカニズムが十分に働いていません。
元々、食べることによって体内で抗がん物質を作り出せていたのに、農薬や防カビ剤の普及により、現代人の体内には100年前の10分の1程度のサルベストロールしか摂取できておらず、癌細胞の暴走を止められなくなっているのかもしれません。
抗癌剤は癌細胞のみならず正常細胞まで攻撃してしまいますが、サルベストロールは元々は野菜や果物に含まれていた物質。
正常細胞には影響がないのは本当に嬉しいですね。
サルベストロールは正常細胞を攻撃せず、癌細胞のみに特異的に働き細胞死に導く最強物質とも言えます。
サルベストロールの吸収、輸送、細胞への取り込み
サルベストロールを有効に作用させるためには3つの重要なプロセスが必要です。
摂取したサルベストロールは腸内壁から吸収されてグルコーストランスポーターに抱合され、血液を介して輸送、そして細胞膜を貫通し癌細胞に到達しなければなりません。
1.吸収
植物由来の糖質は主に大腸の腸内壁で吸収される前に、腸内フローラがサルベストロールをグリコシドから切断・分割します。
抗生物質を頻繁に使用すると腸内細菌叢が枯渇する可能性があるため注意が必要です。
2.抱合
腸から吸収されたサルベストロールが血液を介して全身に輸送されるためには肝臓を通過して糖と抱合されなければなりません。
つまり肝機能が低下していると、吸収されたサルベストロールをうまく輸送できないわけです。
だから肝機能が低下している人は肝機能の最適化に取り組む必要があります。
3.細胞への取り込み
血流によって運ばれたサルベストロールが細胞に取り込まれるにはβグルクロニダーゼという酵素が必要です。
これがないとサルベストロールが癌細胞の中に侵入できません。
だからこのβグルクロニダーゼの活性が阻害されないようにする必要があります。
人工甘味料は天然のものであっても活性を阻害するため摂取しないようにしましょう。
効果を最大限に引き出すために避けるべき阻害物質
以下の物質はサルベストロールの働きを阻害するため可能な限り避けましょう。
ストロビルリン系などの殺菌剤
CYP1B1の強力な阻害物質。
非常に微量でも阻害効果がある。
ゴルフコース、運動場、公共の公園、新しいじゅうたん、家庭用塗料、洗浄剤や空調配管で使用されている。
農薬(除草剤および殺虫剤)
農業で使用され残留農薬が多くの農作物で認められています。
局所抗真菌剤
CYP1B1の強力な阻害物質。
抗真菌剤クリーム(水虫治療の塗り薬)やフケ予防シャンプーに含まれるケトコナゾールは皮膚を介して吸収される。
人工甘味料
サルベストロールが細胞に侵入するのに必要なβグルクロニダーゼを阻害する。
ステビアなどをはじめ、すべての糖類似物質を避けましょう。
グレープフルーツ
グレープフルーツに含まれるナリンゲニンはCYP1B1の強力な阻害物質。
過剰なジュース摂取
過剰分は代謝され除去されるためジュースの摂取量はグラスで1日3杯に制限。
午前中の摂取は避け、CYP1B1活性が低下する午後3時以降に摂取すると良い。
セイヨウオトギリソウ
セイヨウオトギリソウに含まれるヒペリシンがCYP1B1を直接阻害する。
サプリメントやハーブに含まれている場合は回避するのが賢明。
キョウニン(杏仁)および亜麻仁
CYP1B1の発現を阻害しサルベストロール代謝に必要な環境を壊す。
レスベラトロールサプリメント
レスベラトロールの代謝物が阻害効果を発揮する。
1日50mgを上回らないようにすればOK.
赤ワインは問題なし。
大麻
主要なカンナビオイドはすべてCYP1B1酵素の活性化を阻害する。
癌治療でカンナビジオールを摂取している場合は同時、同時期に摂らないよう工夫する。
喫煙
CYP1B1の活性を阻害する。
サルベストロールの効果を得るために補いたい栄養素
下記の栄養素が一つでも欠乏していると期待した効果が得られにくい可能性があるため、積極的に摂るよう努めましょう。
鉄
CYP1B1は他の酵素と同じように鉄を使って体内に入る様々な化合物を酸化します。
つまりCYP1B1がサルベストロールを代謝して癌細胞に有害な物質を作るためには鉄が不可欠。
貧血状態にある場合は食事やサプリメントから鉄の推奨一日必要量を摂取しましょう。
ビタミンC
免疫系を刺激し、細胞死で生じる細胞屑の除去を助けます。
また抗酸化物質として作用し、サルベストロールが生体内で分解されるのを防いでくれます。
不足していない場合でも1日1〜3gのビタミンCを摂取が推奨されています。
細胞に直接届くリポソーム型ビタミンCサプリメントが好ましいです。
マグネシウム
CYP1B1酵素の活性化に不可欠な補助因子。
サルベストロールの代謝が促進されます。
ビオチン(ビタミンH)
CYP1B1の生成を刺激し、CYP1B1濃度を増加させてサルベストロールの代謝を促進させます。
ナイアシン(ビタミンB3)およびリボフラビン(ビタミンB2)
サルベストロールの活性化に不可欠な栄養素。
サプリメントとして摂取すると良いでしょう。
未精製の必須脂肪酸(EPA)
血液から脳組織への輸送を助けるため、脳腫瘍や脳転移に有益。
乳癌および卵巣癌では必須脂肪酸(EPA)とサルベストロールの併用が推奨されています。
高品質の月見草油(EPO)から得られた未精製オメガ6脂肪酸、特にガンマリノレン酸(GLA)が好ましいと言われています。
他の治療との併用は?
サルベストロールは薬ではありません。
いかなる薬物との間に既知の禁忌も相互作用も認められていません。
化学療法(抗癌剤治療)、放射線療法、食事・サプリメント療法、高濃度ビタミンC点滴療法などとの治療と併用は全く問題ありません。
特に高濃度ビタミンC点滴療法との併用で癌治療の相乗効果が期待されます。
ビタミンCはサルベストロールの働きを助けるため、より効果的とも言えます。
癌の人は癌治療として、健康な人は癌予防として
サルベストロールの服用方法は癌の患者さんと癌ではない健康な人とでは大きく異なります。
また癌の種類、ステージ、肝機能、真菌感染があるかどうかによって服用量が異なりますので個別でご相談下さい。
治療の場合
現在、癌治療中の場合は最初の6週間だけ1日6カプセル服用します。
それはほぼゼロに近いサルベストロール血中濃度を上げるために必要なローディング期間だからです。
ボトル数でいうと1か月に2本。
そして維持期は1日3カプセル。
6か月間様子をみます。
ボトル数でいうと1か月に1本です。
予防の場合
癌治療が終わり再発予防の場合は1日1〜2カプセル。
ボトル数でいうと3か月に1本程度です。
癌ではない健康な方が癌予防で飲む場合は1日1カプセルを週に3〜4日ですみます。
ボトル数でいうと3か月に1本以下です。
摂取方法
CYP1B1は早朝から15時までが活性のピーク。
その時間帯に2回に分けて飲むことでサルベストロールの血中濃度が維持出来ます。
- 朝食前に1日分量の2/3、昼食前に残りの1/3を服用する
- 食事の30分前までに服用する
- 正午までに飲み終える
健康な人が癌予防で飲む場合は起床時に飲む、もしくは昼食30分前に飲むようにしましょう。
カプセルが大きくて飲みにくい場合は、カプセルから中身を出してお茶や味噌汁、スープなどに溶かして飲んでもOK!
漢方に似た風味・苦みがありますので、濃いめの味噌汁やスープに溶かすと飲みやすくなります。
熱に強いので料理に混ぜても問題ありません。
ただし野菜ジュースに混ぜることは避けて下さい!
サルベストロール サプリメント
1本 90カプセル入り
価格:19,440円(税込)
お問い合わせは診療所窓口またはお電話で。
06−6941−0919